塗装工事やインフラ補修の現場において、仕様書に記載されている「2種ケレン」「3種ケレン」といった指示を見て、具体的な作業範囲や最適な道具の選定に迷ったことはありませんか?
また、日々の現場作業において、手作業やサンダーによる激しい身体的疲労や、サンドブラストによる大量の粉塵飛散・騒音クレーム、さらには膨れ上がる廃砂の処理コストに頭を悩ませている現場監督や施工管理者の方は非常に多いはずです。
深刻な人手不足が続く中、従来の「削る」「叩く」といったケレン作業は、工期とコストを圧迫する最大の要因となりつつあります。
さらに記事の後半では、騒音や粉塵をほとんど出さず、作業時間を劇的に短縮する次世代のケレン工法「レーザークリーニング」についても紹介します。
この記事を読むことで、品質を落とさずに現場の負担を減らす、最新の課題解決策が見つかるはずです。
ケレン作業の定義と塗装品質を左右する3つの目的
ケレン作業は、単なる「汚れ落とし」ではなく、その後の塗装の寿命や仕上がりを決定づける最も重要な下地処理工程です。
ここでは、ケレン作業を行う3つの大きな目的について解説します。
ケレン作業の基本的な定義と語源
ケレンとは、主に鉄骨や橋梁、屋根などの金属表面に付着したサビや古い塗膜、汚れなどを取り除き、表面を整える「素地調整(下地処理)」のことです。
語源は英語の「Clean(クリーン)」がなまったものと言われており、日本の建設現場や塗装現場で古くから使われている専門用語です。
塗料の密着性向上と塗装寿命の延長
ケレン作業の最大の目的は、新しく塗る塗料の密着性を高めることです。
金属の表面がツルツルした状態や、汚れが付着した状態では、塗料がしっかりと定着しません。
ケレン作業によって意図的に表面を少し粗くする(目荒らし・アンカーパターンを作る)ことで、塗料がしっかりと食いつき、塗装の寿命を本来の耐用年数まで引き延ばすことができます。
サビと旧塗膜の除去による防食性能の確保
もし、サビや浮き上がった古い塗膜(死膜)をそのままにして上から塗装をしてしまったらどうなるでしょうか。
内部に残ったサビが進行し、わずか数ヶ月〜1年程度で新しい塗装ごと剥がれ落ちてしまいます。
不良部分を根こそぎ除去し、金属をサビ(腐食)から守る防食性能を確保することが、ケレン作業の重要な役割です。
ケレン作業の等級分類(1種〜4種)と判別基準
ケレン作業は、対象物の劣化具合や使用する道具によって、1種から4種までの等級に分類されています。
まずは、各等級の違いがひと目で分かる比較表をご覧ください。
| 等級 | 劣化状況 | 目的と作業内容 | 主な使用道具 |
|---|---|---|---|
| 1種 | 全面が激しくサビている | サビ・旧塗膜を完全に除去し、金属光沢を出す | サンドブラスト等 |
| 2種 | 全体的にサビが広がっている | サビ・旧塗膜を電動工具で徹底的に除去する | ディスクサンダー等 |
| 3種 | 部分的にサビが発生している | 劣化部分のみを除去し、密着している塗膜(活膜)は残す | サンダー、手工具併用 |
| 4種 | サビはほぼ無く、粉化(チョーキング)がある | 表面の軽微な汚れを落とし、目荒らしを行う | ワイヤーブラシ、紙やすり |
1種ケレン|ブラストによる完全な素地調整
1種ケレンは、腐食が激しい橋梁やプラント設備などに対して行われる、最も強力な素地調整です。
主に砂や金属粉を圧縮空気で吹き付ける「サンドブラスト工法」を用い、サビや旧塗膜をミクロン単位で完全に除去して金属特有の光沢を露出させます。
高い品質を得られますが、粉塵対策の大掛かりな養生が必要なため、一般的な住宅工事などでは施工困難なケースがほとんどです。
2種ケレン|動力工具による広範囲のサビ・塗膜除去
2種ケレンは、ブラスト工法が使えない現場において、ディスクサンダーやグラインダーといった「動力工具(電動工具)」を用いて、サビや旧塗膜を広範囲に削り落とす作業です。
1種に次いで清浄度が高く、鉄骨造の建物や鉄扉の深刻なサビ落としなどに適用されます。
3種ケレン|部分的なサビ・劣化塗膜の除去
実際の塗装現場で最も頻繁に行われるのが3種ケレンです。
サビが発生して浮いている部分や、すでに剥がれかけている旧塗膜(死膜)だけを動力工具や手工具で除去します。
一方で、まだしっかりと金属に密着している状態の良い旧塗膜(活膜)はあえて残し、その上から新しい塗料を重ね塗りします。
4種ケレン|軽度な汚れと粉化塗膜の除去
4種ケレンは、サビがほとんど発生していない状態の良い塗装面に対して行われます。
主に手工具(ワイヤーブラシやサンドペーパー)を使い、表面の軽度な汚れや、紫外線で塗料が粉状になったもの(チョーキング)を落としつつ、塗料の食いつきを良くするための「目荒らし」を行います。
鋼道路橋防食便覧とISO8501に基づく等級基準
これらのケレン等級は、現場の感覚だけで決まるわけではありません。
公共工事やインフラ保守においては、日本道路協会が定める「鋼道路橋防食便覧」や、国際規格である「ISO 8501(鋼製素地調整の等級)」などの厳格な基準に基づき、サビの面積率や仕上がりの清浄度が明確に規定されています。
従来のケレン作業が抱える現場課題と労働環境問題
ケレン作業は品質を担保するために不可欠ですが、従来の「削る」「吹き付ける」といった物理的な工法には、現場の工期や利益を圧迫する深刻な課題が山積しています。
動力工具と手工具による作業者の身体的疲労と騒音
サンダーなどの動力工具は、激しい騒音と長時間の振動を伴います。
これらは近隣住民からのクレームに直結するだけでなく、作業者の手や腕に「白蝋病(振動障害)」といった深刻な健康被害をもたらすリスクがあります。
手工具での作業も肉体的な疲労が激しく、作業効率が著しく低下する原因となります。
ブラスト工法に伴う大量の粉塵飛散と産廃処理コスト
ブラスト工法は、周囲が真っ白になるほどの猛烈な粉塵が飛散します。
これを防ぐための強固な防塵テントの設置(養生)に莫大な時間と費用がかかります。
さらに作業後には、使い終わった大量の廃砂が「産業廃棄物」として残り、その処理コストが利益を大きく削り取るという致命的なデメリットがあります。
鉛とPCBを含有する旧塗膜の特別管理産業廃棄物対応
古い橋梁やプラントの旧塗膜には、人体に有害な「鉛」や「PCB(ポリ塩化ビフェニル)」、あるいは「アスベスト」が含まれていることが多くあります。
これらを従来の工法で削り取ると有害な粉塵を吸い込む危険があり、回収した廃棄物は処理費が極めて高額な「特別管理産業廃棄物」として厳格に処分しなければなりません。
作業者の熟練度への依存と深刻な人手不足
手工具や動力工具を用いたケレン作業は、「どこまで削るべきか(活膜と死膜の見極め)」や「母材を削りすぎない力加減」など、職人の感覚と経験に大きく依存しています。
しかし、建設・塗装業界全体で熟練職人の高齢化と深刻な人手不足が進んでおり、属人的な技術に頼った施工体制は限界を迎えつつあります。
現場課題を根本から解決する最新レーザークリーニング

「粉塵クレームをなくしたい」「廃砂の処理コストを削減したい」「作業者の疲労を減らし、もっと早く作業を終わらせたい」。
こうした現場の切実な悩みを根本から解決する代替技術として、近年急速に普及しているのが「レーザークリーニング」です。
研削材と薬品を使用しない完全ドライ非接触処理
レーザークリーニングは、高出力のレーザー光を金属表面に照射し、サビや旧塗膜だけを熱エネルギーで瞬時に気化(蒸発)させる最先端の技術です。
砂(研削材)や化学薬品を一切使用しない「完全ドライ洗浄」のため、大量の粉塵や廃液がほとんど発生しません。
気化したサビは小型の集塵機で吸い取るだけで完結し、対象物に物理的に接触しないため、母材を削って傷めてしまう心配もほとんどありません。
レーザー洗浄と既存ケレン工法の適材適所な使い分け
ただし、レーザー洗浄がすべてのケレン作業を置き換えるわけではありません。
ケレン作業では、対象物・要求品質・施工条件によって、適切な工法が異なります。
重要なのは「共存共栄・適材適所」の視点で、それぞれの工法の強みを活かすことです。
レーザー洗浄が強みを発揮する場面
- 鉛・PCB含有旧塗膜の剥離:粉塵を抑えて有害物質を安全に回収
※レーザー単体で有害物質を無害化できるものではありません。一般社団法人日本レーザークリーナー協会のJLC工法(レーザー・カバー・集じん機の組み合わせ)により、飛散を抑えた回収を行います。 - 粉塵・騒音を出せない都市部の現場:沿線・住宅地近接区間
- 養生が困難な狭所・複雑形状:橋梁の支承部・タンク内部など
- 母材寸法を守りたい精密部品:鉄道車両部品・治具・繰り返し使用機器
- 3種・4種ケレン領域の部分処理:局所的なサビ・塗膜除去
- 環境規制対応:廃砂・廃液を出したくない現場
従来工法が適している場面
- 広面積の1種ケレン:橋梁全面・大型タンクなどはブラストが圧倒的に効率的
- 既存設備があり初期投資を抑えたい現場:従来工法の継続利用が経済的
- 厚膜の旧塗料の大量除去:ブラストや薬品剥離が現実的
なお、ULT LASERは1種ケレン相当の素地調整に対応しており、ISO 8501-1のSa3(ブラストによる最高レベルの除錆度)まで到達できます。
そのうえで「大面積の鋼橋塗替えの1種ケレンはブラスト、鉛・PCB含有部や狭所・住宅地近接箇所はレーザー」といったハイブリッド運用により、それぞれの強みを最大化しながら、コスト・効率・安全性・環境負荷のバランスを取ることができます。
従来工法とレーザー洗浄の作業時間とコスト比較
レーザー洗浄を導入することで、現場にどのようなメリットがあるのかを比較表にまとめました。
| 比較項目 | 手工具ケレン | 電動工具ケレン | サンドブラスト | レーザークリーニング(ULT LASER) |
|---|---|---|---|---|
| 対応ケレン等級 | 4種 | 2種・3種 | 1種 | 1種〜3種まで対応可 |
| 作業時間 | 長い | 中 | 中(養生時間別途) | 短〜中 |
| 粉塵発生 | 少ない | 多い | 非常に多い(12,000mg/m³) | ほぼなし(28mg/m³) |
| 騒音 | 低い | 高い(100dB前後) | 非常に高い(117.3dB) | 低い(85.9dB) |
| 廃棄物量 | 少ない | 中 | 大量(25kg/㎡前後) | 極少(1kg/㎡未満) |
| 母材ダメージ | 擦り傷 | 削りすぎリスク | 寸法変化あり | ほぼなし |
| 養生の必要性 | 最小限 | 中規模 | 大規模 | 最小限 |
| 鉛・PCB対応 | 飛散リスク | 飛散リスク | 大量飛散リスク | 集塵機で確実回収 |
| アンカー形成能力 | 弱い | 中 | 非常に高い | 中(出力調整で対応) |
| 作業者の負担 | 高い(重労働) | 高い(振動・騒音) | 高い(粉塵・養生) | 低い |
特に注目すべきは、粉塵発生量がブラストの約428分の1、廃棄物量が約97%削減、騒音も30dB以上低減という大幅な改善です。
これらの数値は、近隣クレーム対応・産廃処理コスト・労働環境改善のすべてに直結します。
また、鉛・PCB含有塗膜への対応でも、ブラストや動力工具と比べて圧倒的に安全に作業できる点が、レーザー洗浄の大きな強みとなっています。
ケレン作業に最適なレーザークリーナーULTLASER

ケレン作業の圧倒的な効率化と環境改善を実現するレーザークリーニング。
過酷な建設現場やインフラ保守の現場に導入するなら、確かな性能と万全のサポートを備えた機器を選ぶ必要があります。
そこでおすすめなのが、オプティレーザーソリューションズ株式会社が提供する「ULT LASER(ウルトレーザー)」です。
国内唯一の専門メーカーによる品質管理とサポート体制
ULT LASERを提供するオプティレーザーソリューションズは、国内唯一のレーザークリーナー専門メーカーとして、レーザー洗浄技術に特化し、自社にてシステム開発・研究開発・製品企画・品質管理・安全講習まで一貫して行っています。
ケレン作業では、橋梁・タンクの大規模1種ケレンから、戸建て鉄部の4種ケレンまで、現場の規模・要求品質・施工環境によって最適な機種が大きく異なります。
ULT LASERは業界最多クラスとなる10種類のラインナップを揃えており、たとえば以下のような選定が可能です。
また、鋼材の種類(鉄・鋳物・ステンレス)や、複雑形状の支承部・ボルト周辺・タンク内部など、現場ごとの個別ニーズに応じたカスタマイズ相談にも、国内メーカーならではの柔軟な対応が可能です。
防衛省採用の高い安全性と全国対応のアフターサポート
ケレン作業のような長期間・高頻度で使用する現場設備には、実績に裏付けられた信頼性と継続的なサポート体制が不可欠です。
ULT LASERは、以下のような重要インフラ企業・公的機関への採用実績を持ちます。
- 防衛省への正式採用
- JR関連
- NTT関連
- 大手産業企業:RICOH・HITACHI・三菱重工・産総研など
特に橋梁・道路インフラのケレン作業では、令和7年度に大分・熊本・佐賀・福岡の各地で国土交通省・地方自治体発注の公共工事にも採用されており、橋梁塗替えのケレン工程での実証実績を積み上げています。
メーカー保証期間は安心の2年間。
北海道から沖縄まで全国対応のアフターサポート体制を整えており、独自のプログラムシステムにより故障原因の現場特定、軽度の故障に対する現場での部品交換が可能です。
さらに本体修理が必要な場合の代替機の貸出し体制を整えているため、塗装工事の工程に影響を与えるリスクを最小限に抑えられます。
実際の鋼材ワークで効果を確認できる実機デモンストレーション
「本当にうちの現場の分厚いサビや塗膜が、レーザーで落ちるのか?」
「母材がほとんど傷つかないって本当か、自分で試してみたい」
そのような施工管理者様や技術担当者様のために、オプティレーザーソリューションズでは、お客様の現場で実際に使用している鋼材(ワーク)を用いた実機デモンストレーションを随時受け付けております。
▼ 粉塵クレームと高額な産廃処理コストをゼロにし、工期を劇的に短縮する最新技術
「ULT LASER」の圧倒的なケレン能力を体験できる実機デモのお申し込み・資料請求はこちらからお気軽にお問い合わせください。
まとめ
塗装の品質と寿命を決定づけるケレン作業は、現場において極めて重要な工程です。
- 劣化状況に応じて1種〜4種の等級があり、適切な道具と工法を選ぶ必要がある
- 従来のサンダーやブラスト工法は、作業者の疲労、猛烈な粉塵、高額な産廃コストという限界を抱えている
- 鉛やPCBを含む旧塗膜の処理など、環境規制や安全管理のハードルは年々高くなっている
こうした現場の「負」を根本から解決するのが、粉塵や騒音をほとんど出さず、作業時間を50〜80%も短縮できる最新の「レーザークリーニング」です。
作業者の安全な労働環境を守り、厳しい工期と予算の課題をクリアするために、国内トップクラスの性能とサポートを誇る「ULT LASER」の導入は、他社との強力な差別化(競争力)に繋がります。
ケレン作業の効率化と労働環境の改善をお考えの皆様は、ぜひ一度、実機デモンストレーションでその革新的なスピードと仕上がりをご体感ください。
