「金型にこびりついた樹脂が、どうしても取れない…」
「有機溶剤の使用規制が厳しくなり、代替案を探さなければならない…」
「手作業での除去は時間がかかりすぎるし、母材を傷つけてしまうリスクが怖い…」

製造現場において、金型や治具、製品に付着した不要な樹脂(バリ、コーティング、被膜、接着剤など)の除去は、品質と効率を左右する重要な工程です。
しかし、従来の物理的な研磨や化学薬品による洗浄は、母材へのダメージ、環境負荷、作業効率の悪さといった、多くの問題を抱えています。

この記事では、樹脂除去の現場が抱える深刻な課題を整理し、物理・化学・熱・光(レーザー)という主要な除去方法を徹底比較します。

さらに、「母材をほとんど傷つけない」「薬品を使わない」という特長を持つ最新技術「レーザークリーナー」の仕組みや、現場のプロが実践する「従来工法との賢い併用術(ハイブリッド運用)」についても詳しく解説します。

生産効率の向上と、作業環境の劇的な改善を実現するために、ぜひ最後までお読みください。

目次

樹脂除去の現場が抱える3つの深刻な課題

まずは、多くの製造現場で共通して発生している「樹脂除去」に関する3つの大きな課題を再確認します。
これらは単なる作業負担の問題にとどまらず、企業の利益やコンプライアンスに関わる重大なリスクとなっています。

ブラストや手作業による母材(金型・製品)の損傷

固着した樹脂を物理的に剥がし取るために、サンドブラスト(投射材の噴射)や、カッター・ブラシ・スクレーパーなどを使った手作業が行われています。

しかし、これらの方法は樹脂だけでなく、その下にある母材(金型や製品本体)の表面まで削り取ってしまうリスクと隣り合わせです。

金型の寸法が変わってしまったり、製品の表面に傷がついたりと、品質不良や金型寿命の短縮を招く原因となります。

有機溶剤の使用規制と作業者の健康被害リスク

樹脂を溶解させるために使用される「有機溶剤(シンナー、トルエン、アセトンなど)」は、人体に有害な物質を含んでいるものが多くあります。

労働安全衛生法などの法規制により、厳しい管理(局所排気装置の設置、特殊健康診断など)が義務付けられており、管理コストが増大しています。
何より、作業者の健康被害や、強烈な臭気による作業環境の悪化は、企業として早急に解決すべき課題です。

細部の除去残りや洗浄工程によるダウンタイム損失

複雑な形状をした金型や部品の場合、手作業やブラストでは奥まった部分の樹脂を取り切れず、「除去残り」が発生しやすくなります。

また、薬品洗浄のための浸漬時間や、洗浄後の乾燥時間、あるいは金型の分解・組立作業などにより、生産ラインを長時間止めなければならず、大きなダウンタイム損失(機会損失)が発生しているのが実情です。

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サンドブラストのデメリットとは?代替技術レーザーとの違いを比較

樹脂除去の主要な方法4選を徹底比較

樹脂を除去する方法には、大きく分けて「物理」「化学」「熱」「光(レーザー)」の4つのアプローチがあります。
それぞれの特徴とメリット・デメリットを比較表で整理しました。自社の課題に最適な方法を見極める参考にしてください。

一目でわかる除去方法の性能・安全性・コスト比較表

除去方法ULT LASER(レーザー)物理的除去(ブラスト)化学的除去(溶剤)熱的除去(バーナー)
母材へのダメージ◎(ほぼゼロ)×(摩耗・ダレ)△(腐食リスク)×(熱歪み・変質)
除去能力◎(精密・強力)◎(強力)〇(樹脂による)◎(強力だが炭化)
環境・安全性◎(クリーン)×(粉塵・騒音)×(有毒ガス・廃液)×(煙・火気)
ランニングコスト◎(電気代のみ)×(研磨材・産廃)×(薬品代・処理費)〇(燃料代)
複雑形状◎(光が届けば可)△(メディア残り)◎(浸漬なら可)

物理的除去(ショットブラスト・研磨)の長所と短所

  • 長所
    設備が比較的安価で、広範囲の樹脂を物理的な力で強力に剥ぎ取ることができます。
  • 短所
    母材を摩耗させるため、精密部品や鏡面仕上げの金型には不向きです。
    大量の粉塵が発生し、研磨材の廃棄コストもかかります。

化学的除去(溶解剤・溶剤)の限界とデメリット

  • 長所
    液体に浸すことで、物理的な手が届かない複雑な内部の樹脂も溶かすことができます。
  • 短所
    処理に時間がかかります。廃液処理や環境対策のコストが高く、人体への有害性が最大のネックです。

熱的除去(バーナー・オーブン)の限界とデメリット

  • 長所
    熱で樹脂を焼き切るため、低コストで実施できます。
  • 短所
    母材が高温になり、歪み(熱変形)や焼き入れ効果による硬度変化が起こるリスクがあります。除去後にスス(炭化物)の清掃が必要です。
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ショットブラストとは?サンドブラストとの違いとデメリットを解説

樹脂除去の常識を変える「レーザークリーナー」

これら既存工法の課題を解決する手段として注目されているのが、光のエネルギーを利用した「レーザークリーナー」です。その革新的な特徴を解説します。

【動画で検証】樹脂コーティングが瞬時に剥離される様子

まずは、実際にレーザーが樹脂(塗装膜)を除去する様子を動画でご覧ください。
金属表面に強固に密着した樹脂コーティングだけが反応し、母材にはほとんど傷をつけずに瞬時に剥離されていく様子が確認できます。

光で樹脂だけを蒸発させる「アブレーション」の原理

なぜ、レーザーは母材をほとんど傷つけないのでしょうか?

これは、レーザー光が特定の物質(この場合は樹脂や汚れ)に吸収され、瞬時にプラズマ化・蒸発する「アブレーション(蒸散)」という現象を利用しているからです。

金属などの母材はレーザー光を反射する性質があるため、エネルギーをほとんど吸収しません。
そのため、樹脂だけを選択的に除去し、母材はそのままの状態を維持できるのです。

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レーザーアブレーションとは?原理と熱加工との違い。洗浄への産業応用

廃棄物ほぼゼロ・非接触による作業環境とコストの改善

レーザー除去は「光」を使うため、研磨材や薬品といった除去媒体を大量に消費する必要がありません。
除去された樹脂は微細な粉塵やガスとなって回収されるため、産業廃棄物の量を劇的に削減できます。

また、非接触で行えるため、作業者が有害物質に触れるリスクもなく、安全でクリーンな作業環境を実現します。
ランニングコストは電気代と保護レンズ(消耗品)のみとなり、長期的なコスト削減に貢献します。

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現場のプロが推奨する「従来工法とレーザーの併用(ハイブリッド)」

レーザーは万能なツールに見えますが、「分厚い樹脂の塊」をすべてレーザーで消滅させようとすると、時間がかかりすぎる場合があります。

そこで、現場のプロは既存工法とレーザーを組み合わせた「ハイブリッド運用」を推奨しています。

「粗取り」は物理・熱除去、「仕上げ」はレーザーで効率化

例えば、数ミリ以上の厚みがある樹脂だまりを除去する場合、最初からレーザーを使うのは非効率です。

  1. 第1段階(粗取り)
    カッターやスクレーパー、あるいはヒートガン等で、大まかな樹脂を取り除く。
  2. 第2段階(仕上げ)
    母材表面に薄く残った樹脂や、細かい隙間に入り込んだ樹脂を、レーザーで完全に除去する。

このように役割分担をすることで、作業時間を短縮しつつ、母材をほとんど傷つけない高品質な仕上がりを実現できます。

複雑形状や精密エリアのみピンポイントでレーザー活用

全体の大まかな洗浄はショットブラストで行い、以下のようなデリケートな部分だけをレーザーでピンポイント洗浄するといった使い方も効果的です。

  • 絶対に傷つけたくない精密な刻印部分
  • シボ加工面
  • 電気接点部分

適材適所の使い分けで、トータルコストを最小化する

すべての工程をレーザーに置き換える必要はありません。

「ここは手作業の方が速い」「ここは品質重視でレーザー」といった適材適所の判断が、設備投資コストと作業工数のトータルコストを最小化する鍵となります。

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レーザークリーニングとは?原理や仕組み、メリットをプロが解説

金型から精密部品まで。レーザー樹脂除去の主な活用シーン

レーザークリーナーは、その精密さと安全性から、様々な産業分野での樹脂除去に活用されています。

金型・スクリューの樹脂(POM/PVC等)・ガス焼け除去

プラスチック成形において、金型やスクリューに固着した樹脂残り(POM、PVCなど)や、ガス焼け(タール状の汚れ)は成形不良の原因になります。

レーザーなら、複雑な形状の金型でも、非接触で奥まで届き、ガス焼けや樹脂残渣を綺麗に除去できます。
金型を成形機から降ろさずに行う「機上洗浄」も可能です。

部品・治具の樹脂コーティング(塗装)剥離

製造工程で治具に付着してしまった樹脂や、部品の再利用のための塗装剥離にも最適です。
物理的に削り取るのが難しい形状でも、レーザーなら樹脂成分だけを瞬時に蒸発させ、母材である金属をほとんど傷つけずにリサイクル可能な状態に戻せます。

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樹脂除去における最適なレーザー選定(パルス/CW)

レーザーには大きく分けて「パルスレーザー」と「CW(連続波)レーザー」があり、用途によって使い分ける必要があります。

熱影響を避けたい精密除去には「パルスレーザー」

瞬間的な高いエネルギー(ピークパワー)で樹脂を弾き飛ばすパルスレーザーは、熱が母材に伝わる前に処理が終わるため、熱影響を極限まで抑えたい精密な除去に最適です。
金型洗浄や被覆除去の主流です。

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パルスレーザーとは?CWとの違い、原理、用途をプロが解説

広範囲の薄い樹脂やスピード重視には「CWレーザー」

連続的にエネルギーを供給するCWレーザーは、広範囲に広がった薄い樹脂膜や汚れを、高速で除去する場合に適しています。
ただし、熱が蓄積しやすいため、母材への熱影響には注意が必要です。

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CWレーザーとは?パルスとの違いでわかる最適な使い道と原理

信頼の国産レーザークリーナー「ULT LASER」

樹脂除去というデリケートな作業において、装置の信頼性は極めて重要です。
私たちオプティレーザーソリューションズの「ULT LASER」は、以下の特長で多くの製造現場に選ばれています。

国内開発・国内生産による高い信頼性とサポート体制

「ULT LASER」は、日本の製造現場が求める高品質基準を満たすため、開発から製造まで全て国内で行っています。

海外製品にありがちな「出力が不安定」「故障時の対応が遅い」といったトラブルがなく、万が一の際も国内エンジニアが迅速にサポートします。

防衛省にも採用される安全性と技術力

私たちの技術力と信頼性の証として、「ULT LASER」は防衛省にも正式採用されています。

国の重要装備品のメンテナンスにおいて、母材をほとんど傷つけずに汚れだけを除去する高度な技術と安全性が認められています。
この実績は、貴社の重要な製品や金型を預ける上でも、大きな安心材料となるはずです。

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まとめ:まずは「実機デモ」で、ダメージレスな除去を体感してください

今回は、樹脂除去の課題を解決する「レーザークリーナー」について、従来工法との比較やハイブリッド運用について解説しました。

  • レーザーなら母材をほとんど傷つけずに樹脂だけを除去できる。
  • 薬品や研磨材を使わないため、作業環境が劇的に改善する。
  • 「粗取りは物理、仕上げはレーザー」といったハイブリッド運用が効率的。
  • 樹脂の種類や用途に合わせて、パルスとCWを適切に選定することが重要。

「ウチで扱っている特殊な樹脂でも落ちるのか?」
「母材へのダメージがないか、実際に試してみたい」

そのようにお考えの方は、ぜひオプティレーザーソリューションズの「実機デモンストレーション」をご利用ください。
実際に貴社のサンプルをお預かりし、その除去能力と安全性を目の前で実証いたします。
まずはお気軽にお問い合わせください。

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