粉じんを避けたいからジェットブラスト?でも廃水や騒音が心配…。
かといってサンドブラストは課題だらけ…。結局、どの工法を選べば後悔しないのか、判断が難しいですよね。
この記事は、そんなあなたのための「3大工法・比較ガイド」です。
ジェットブラストの長所と、見落としがちな短所をプロの視点で正直に解説。
その上で、サンドブラスト、そしてレーザークリーナーと、品質・コスト・安全性を徹底比較し、あなたの現場にとっての「最適解」を導き出します。
ジェットブラスト(ウォータージェット)とは?洗浄の基本原理
まずジェットブラストがどのような原理で錆や塗膜を除去するのか、その基本的な仕組みと、サンドブラストとの違いを解説します。
超高圧水で対象物を除去する仕組み
ジェットブラストとは、一般的に「ウォータージェット」とも呼ばれ、水を数10MPa〜数100MPaという超高圧にまで加圧し、小さなノズルから噴射することで、その衝撃エネルギーによって錆や塗膜、コンクリートなどを除去・破壊する技術です。
水の力だけで対象物を除去するため、火花が発生せず、粉塵も出ないという大きな特長があります。
サンドブラストとの根本的な違い
同じ「ブラスト」という名前がついていますが、サンドブラストとは原理も特性も大きく異なります。
サンドブラストが、研磨材(メディア)をぶつけて対象物を「削り取る」のに対し、ジェットブラストは、水の衝撃力で対象物を「剥ぎ取る・破壊する」という点が根本的に異なります。
この「研磨材を使わない」という特性こそが、後述するメリットとデメリットの両方を生み出す源泉となっています。
ジェットブラスト導入のメリットと知るべきデメリット
次に、ジェットブラストの導入を判断するために不可欠な、メリットとデメリットを公平に解説します。
粉塵ゼロ・火気厳禁エリアで使えるメリット
ジェットブラスト最大のメリットは、サンドブラストで問題となる粉塵が原理的に発生しないことです。
これにより、作業環境が劇的に改善され、大規模な養生の必要性も低減します。
また、水を使用するため火花が発生せず、引火性ガスが存在するような火気厳禁の防爆エリアでも安全に作業できるという、他の工法にはない大きな利点があります。
導入前に必ず確認すべき5つのデメリット
デメリット
- 大量の廃水処理という最大の課題
- 超高圧水による重大な人身事故のリスク
- 非常に大きな作動音(騒音)
- 作業後の「再錆び」リスク
- 冬季の凍結リスクと設備管理
1. 大量の廃水処理という最大の課題
ジェットブラストは、1時間に数百〜数千リットルもの水を消費します。
除去した塗膜や有害物質を含んだこの大量の水を、適切に回収し、処理(産業廃棄物)しなければなりません。
この廃水を適切に回収し、法律に則って処理するための設備とコストが新たに必要となり、これが運用上の最大の負担となります。
2. 超高圧水による重大な人身事故のリスク
数千気圧にも達する超高圧水は、人体の皮膚や筋肉を容易に切り裂くほどの威力を持っています。
万が一、作業員に噴射されれば、切断などの重大な事故に直結します。
作業には専門的な知識と訓練、そして厳格な安全管理が不可欠です。
3. 非常に大きな作動音(騒音)
超高圧水を噴射する際の騒音は、120dBを超えることも珍しくなく、ジェットエンジンと同レベルの轟音です。
作業者の聴力保護はもちろん、周辺住民への配慮も必要となり、夜間作業などが制限される場合があります。
4. 作業後の「再錆び」リスク
金属表面を水で洗浄するため、処理後すぐにフラッシュラストと呼ばれる錆(再錆び)が発生します。
これを防ぐためには、防錆剤を添加したり、処理後すぐに塗装工程に移ったりする必要があり、工程管理が非常にシビアになります。
5. 冬季の凍結リスクと設備管理
寒冷地や冬季の屋外作業では、水が凍結してしまい、作業自体が不可能になるケースがあります。
また、装置内部の凍結は、高価なポンプや配管の破損に繋がるため、厳重な管理が求められます。
3大工法(ジェット/サンド/レーザー)の徹底比較
ジェットブラストのメリット・デメリットを踏まえ、ここで、従来工法の代表である「サンドブラスト」と、もう一つの先進技術である「レーザークリーナー」を加えた、3つの工法を客観的に徹底比較します。
一目でわかる性能・コスト・環境負荷比較表
| 比較項目 | ULT LASER (レーザークリーナー) | ジェットブラスト | サンドブラスト |
|---|---|---|---|
| 粉塵 | ◎(ほぼゼロ) | ◎(ゼロ) | ×(大量発生) |
| 火気・火花 | △(火気厳禁エリアは要確認) | ◎(火気なし) | ×(火花発生) |
| 廃棄物 | ◎(ほぼゼロ) | ×(大量の廃水) | ×(大量の研磨材) |
| 母材へのダメージ | ◎(ほぼゼロ) | 〇(目荒らし効果) | △(確実に削れる) |
| 再錆びリスク | ◎(ほぼなし) | ×(非常に高い) | 〇(低い) |
| ランニングコスト | ◎(電気代が主) | △(水、燃料、廃水処理) | ×(研磨材、産廃処理) |
| 騒音レベル | ◎(比較的静か) | ×(極めて大きい) | ×(大きい) |
作業環境と安全性の比較(粉塵・廃水・騒音)
粉塵という点では、ジェットブラストとレーザークリーナーがサンドブラストに優ります。
しかし、ジェットブラストは廃水と轟音という新たな問題を生み出します。
一方、レーザークリーナーは、廃水は発生せず、粉塵もほぼゼロであり、騒音も比較にならないほど静かであるため、最も作業環境と安全性が高い工法と言えます。
廃棄物とランニングコストの比較
廃棄物処理は、ブラスト工法すべての課題ですが、その種類と量が異なります。
サンドブラストは固形の産業廃棄物、ジェットブラストは液体の産業廃棄物を大量に排出します。
レーザークリーナーは、研磨材や水を使用しないため、発生する廃棄物は「除去した付着物の粉塵のみ」で済むのが特徴です。
もちろん、除去した塗膜などに有害物質が含まれる場合は適切に処理する必要がありますが、ブラスト工法のように大量の研磨材や汚染水が混ざることがないため、廃棄物の総量は圧倒的に少なくなります。
これにより、ランニングコストにおいても、消耗品が電気代と保護レンズのみのレーザークリーナーが、最も優位となります。
仕上がり品質と母材への影響の比較(再錆びリスク含む)
サンドブラストは母材を「削り」、ジェットブラストは高圧水で母材に微細なダメージ(エロージョン)を与える可能性があります。
また、ジェットブラストは「再錆び」のリスクが常に伴います。
一方、レーザーは非接触で異物だけを「蒸発」させるため、母材にほとんどダメージを与えません。
また、水を使わないため施工直後の「再錆び」リスクも極めて低く、環境や条件にもよりますが、非常に高い仕上がり品質を実現することが可能です。
最終的にどの工法を選ぶべきか?判断基準を解説

では、あなたの会社の課題には、どの工法が本当に最適なのでしょうか。
ここでは、具体的なケース別に、どちらを選ぶべきかの判断基準を解説します。
サンドブラストが適しているケース
初期導入コストを極限まで抑えたい場合や、塗装の密着性を高めるために、あえて母材表面を粗くしたい(アンカー効果が欲しい)といった、特定の目的がある場合には、今でも有効な選択肢です。
ジェットブラストが適しているケース
火気厳禁の防爆エリアでの作業が必須である、あるいは、除去対象がコンクリートのはつりなど、水の力を積極的に利用したい場合には、ジェットブラストが独自の強みを発揮します。
大量の廃水処理設備が既に整っている現場も、導入のハードルが低いでしょう。
レーザークリーナーが適しているケース
作業者の負担軽減や作業環境の改善が求められる場合、ランニングコストと廃棄物処理コストを長期的に削減したい場合、そして何よりも、母材をほとんど傷つけずに付着物を除去したい場合には、レーザークリーナーが圧倒的な優位性を持ちます。
最適な工法選定は専門家への相談とデモが鍵

ここまで3つの主要な工法を比較してきましたが、最終的な選定には、専門的な知見と、実際の効果の検証が不可欠です。
机上の比較だけで高額な設備投資を決定するのは、大きなリスクを伴います。
失敗しないためのデモンストレーションの重要性
カタログスペックや記事の情報だけでは、あなたの会社の特定の汚れや母材に対して、どの工法が最適かを100%判断することはできません。
高額な投資で失敗しないために、最終判断は、必ず実際のワーク(対象物)を使ったデモンストレーションで行いましょう。
仕上がり、スピード、運用性、そして騒音などを、あなた自身の目と耳で比較・確認することが、最も確実な方法です。
オプティレーザーソリューションズへのご相談
私たちオプティレーザーソリューションズは、レーザークリーナーの研究開発から製造、販売、アフターサポートまでを一貫して行う、国内の専門メーカーです。
サンドブラストの課題、ジェットブラストの懸念、そしてレーザークリーナーの可能性。
私たちは、それぞれの技術を熟知した上で、お客様の課題をヒアリングし、「あなたの現場にとって、本当に最適なソリューションは何か」を、専門家の視点からご提案します。
「自社の場合は、ジェットブラストとレーザークリーナー、どちらが合うのか専門家の意見が聞きたい」
「レーザークリーナーの実際の効果を、デモで見てみたい」
そんな時は、ぜひ私たちオプティレーザーソリューションズにご相談ください。
まとめ:自社の課題を解決する、最適な代替工法とは
今回は、ジェットブラストについて、その原理からメリット・デメリット、そして他の主要工法との比較までを網羅的に解説しました。
この記事のチェックポイント
- ジェットブラストは、粉塵ゼロという大きなメリットを持つが、廃水処理や騒音、再錆びリスクといった新たな課題も存在する。
- レーザークリーナーは、廃水は発生せず、粉塵もほぼゼロであるため、ランニングコストの削減や高い仕上がり品質を求める現場において、非常に有効な選択肢となり得ます。
- どの工法が最適かは、品質、コスト、安全、環境といった、あなたの会社が何を最優先するかによって決まる。
- 最終的な判断は、必ず専門家と共に、実物でのデモンストレーションを行ってから下すべきである。
あなたの現場が抱える課題を解決し、生産性と安全性を革新するための一歩として、この記事がお役に立てれば幸いです。